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NO.29.2

🌏 EMU & Data Residency

EMU とデータレジデンシー

更新: 2026.10.27

一言で

GitHub Enterprise Cloud は 誰がアカウントを管理するか と データをどこに置くか で 3 つの形態に分かれる。

EMU は会社の IdP からアカウントを払い出す方式。データレジデンシー は EMU を前提に、GHE.com の専用サブドメインで 日本などの指定リージョン にコードとデータを保存する方式。自社でホストしたい場合は GitHub Enterprise Server(GHES) という選択肢もある。

GitHub Enterprise の 4 つの形態 📖 Docs

GHEC は作成時に アカウントの種類 と 保存先 を選ぶ。GHES はオンプレか自社クラウドで運用する GitHub。

個人アカウントEMUデータレジデンシーGHES
🏠 ホストgithub.comgithub.com*.ghe.com自社
👤 アカウント各自で作成IdP(SCIM)IdP(SCIM)インスタンスで作成
🔐 認証パスワード、SAML 任意SAML / OIDCSAML / OIDCLDAP、CAS、SAML
🗾 保存先米国米国EU、豪州、米国、日本自社で選択
📢 Public repo、Gist✅❌❌⚠️ インスタンス内のみ
🤝 社外との協業✅❌ 閲覧のみ❌❌
🔄 アップデート自動自動自動管理者が実施
🤖 Copilot✅✅✅⚠️ IDE / CLI のみ
⚙️ ホストランナー✅✅⚠️ macOS なし❌ セルフホスト

GHE.com と GHES で使えない機能 📖 Docs

GitHub.com の EMU と比べた差分。❌ は使えない、⚠️ は条件付き。

📖 GHE.com の機能の概要 ↗ 📖 GHES について ↗

▸ + をクリックして詳細を表示

ActionsmacOS、ホストランナー

🌏 GHE.com❌ macOS ランナー ↗
❌ Marketplace ↗(Action や App はソースから導入)

🏢 GHES❌ GitHub ホストランナー ↗(セルフホストのみ)
⚠️ GitHub.com の Action ↗ は GitHub Connect で許可

PackagesMaven / Gradle

🌏 GHE.com❌ Maven / Gradle ↗(Java)

🏢 GHES✅ Maven / Gradle ↗ も対応(Packages は管理者が有効化)

依存関係insights、Dependabot

🌏 GHE.com❌ Org と Enterprise の dependency insights ↗
❌ SBOM ↗ のライセンス情報

🏢 GHES⚠️ Dependabot ↗ は GitHub Connect とセルフホストランナーが前提

Copilotリージョン外、Web 機能

🌏 GHE.com⚠️ データは既定でリージョン外 ↗(リージョン内推論は米国と EU のみ)

🏢 GHES❌ Web の Chat ↗、クラウドエージェント ↗、コードレビュー ↗、Spaces ↗
⚠️ ライセンスはクラウド側で付与。オフラインの CLI はプレビュー

セキュリティAI シークレット検出

🌏 GHE.com— 差分なし

🏢 GHES❌ AI による汎用シークレット検出 ↗

開発環境Codespaces

🌏 GHE.com✅ Codespaces ↗(VS Code の設定が必要)

🏢 GHES❌ Codespaces ↗

ID、その他EMU、Gist、Importer
新機能提供タイミング

🌏 GHE.com⚠️ 一部の プレビュー機能 ↗ は GA まで未提供

🏢 GHES⚠️ GitHub.com が先行し、feature release ↗ で後から届く

個人アカウントの全体像 📖 Docs

個人アカウントは Enterprise の 外側 にあり、招待されて Organization に参加します。

github.com Enterprise ⚠️ 管理者の影響範囲外 ✅ 所属可能(招待) 📁 Organization 🗄️ リポジトリ ⋮ 🗄️ リポジトリ 📁 Organization 🗄️ リポジトリ ⋮ 🗄️ リポジトリ 👤 ユーザー 🌐 public repo 🔒 private repo 所属可能 📁 Organization 🗄️ リポジトリ ⋮ 🗄️ リポジトリ
  • ✅ 管理者が制御できるのは Enterprise 内だけ(例: Organization で public repo の作成を許可するか)
  • ⚠️ 管理者の影響範囲外: 社外 Organization とそのポリシー、個人 repo(public / private)、Gist、社外 repo への PR や Star

EMU の全体像 📖 Docs

EMU のユーザーは Enterprise の 内側 に作られます。

github.com Enterprise ✅ 所属可能 📁 Organization 🗄️ リポジトリ ⋮ 🗄️ リポジトリ 📁 Organization 🗄️ リポジトリ ⋮ 🗄️ リポジトリ 👤 ユーザー 🔒 private repo ✕ ❌ Enterprise 外は所属不可 📁 Organization 🗄️ リポジトリ ⋮ 🗄️ リポジトリ
  • ✅ Enterprise 内の Organization には所属可能。個人 repo は private のみ で、ポリシーで許可または禁止
  • 🚫 public repo と Gist は作成不可、社外 Organization には所属不可。github.com の public repo は 閲覧のみ(PR、Issue、Star 不可)

EMU と SAML 連携の違い 📖 Docs

個人アカウントでも SAML SSO は使えます。違いは アカウントの持ち主 と ログインの流れ です。

個人アカウント + SAMLEMU
🔐 SSO プロトコルSAML のみSAML、または OIDC(Entra ID のみ)
🔗 SSO の設定単位Enterprise または OrgEnterprise のみ
🔄 SCIM任意。Org へのアクセス管理のみ必須。アカウントを作成、停止
🚪 ログインGitHub の ID とパスワード + IdP最初から IdP でログイン
🏷️ ユーザー名利用者が管理IdP が管理(mona_octocorp)

EMU の制約事項 📖 Docs

管理しやすさの裏返しとして、導入前に次の 4 点を確認します。

▸ + をクリックして詳細を表示

全員が EMU アカウント社外メンバーも IdP に登録Docs

対象協力会社や社外の開発者も、Entra ID や Okta 上にアカウントが必要

対策IdP からプロビジョニングし、Guest collaborator ロールで internal repo へのアクセスを絞る

連携できる IdP は 1 つ認証と SCIM は同じ IdP でDocs

パートナーEntra ID(SAML / OIDC)、Okta(SAML)、PingFederate(SAML)

注意Okta と Entra ID の組み合わせ(認証と SCIM で別々)はサポート対象外

公開コンテンツは作れないpublic repo、Gist、公開 PagesDocs

可視性作れるのは private と internal のみ。InnerSource は internal repo で実現

その他Gist の作成やコメント不可、Enterprise 外に公開する GitHub Pages 不可

社外との協業は不可OSS 貢献は別アカウントDocs

範囲Enterprise 外の repo には push、PR、Issue、Star、Fork ができない(public repo は閲覧のみ)

影響OSS に貢献する開発者は個人アカウントも併用。切り替えミスによる誤公開リスクに注意

データレジデンシー(GHE.com)とは 📖 Docs

GitHub.com のデータは既定で 米国 に保存されます。データレジデンシーを選ぶと、Enterprise は GHE.com の専用サブドメイン(例: octocorp.ghe.com)に作られ、コードとデータを指定リージョンに保存できます。

  • 🗺️ リージョン: EU、オーストラリア、米国、日本(2025 年 12 月 GA)
  • 🔐 ID: EMU のみ。GitHub.com のコミュニティからは分離
  • ☁️ GHES との比較: Copilot などの最新機能をすぐ使え、アップグレードの停止も不要
📍 リージョン内に保存🌐 リージョン外に置かれ得るもの
リポジトリ、コード、PR、コメント個人を直接特定しない ID 入りテレメトリ
Actions のデータとログ、BCDR請求、ライセンス、サポートの情報
メール、ユーザー名、氏名、IPCopilot のデータ(既定)、Secret の有効性チェック

GitHub.com との違い 📖 Docs

使える機能は GitHub.com 上の EMU とほぼ同じです。ただし一部は未提供で、URL も変わります。

  • 🛒 GitHub Marketplace なし。Action や App はソースから導入
  • 🍎 macOS ランナー と Packages の Maven / Gradle は未提供
  • 📊 Org / Enterprise の dependency insights は未提供
用途GitHub.comGHE.com
APIapi.github.comapi.SUBDOMAIN.ghe.com
Container registryghcr.iocontainers.SUBDOMAIN.ghe.com
SSH clonegit@github.com:SUBDOMAIN@SUBDOMAIN.ghe.com:

⚠️ IP 範囲と SSH フィンガープリントも GitHub.com とは別。ファイアウォールや IdP、ストレージの許可リストを GHE.com 用に更新する。

Copilot × データレジデンシー 📖 Docs

GHE.com でも Copilot Business / Enterprise を割り当てれば利用できます(Copilot Pro と Free は不可)。ただし Copilot のデータは 既定ではリージョン外 で処理されます。リージョン内に閉じるには Enterprise の Copilot ポリシーで Restrict Copilot to data residency compliant models を有効化します(既定は OFF)。

既定ポリシー有効時
🧠 推論、プロンプト、ログリージョン外の場合ありリージョン内
🤖 利用できるモデルすべてのモデルリージョンで認定されたモデルのみ
💰 AI クレジット消費通常+10%
🗺️ 対応リージョン全リージョン米国と EU のみ

⚠️ 日本リージョンは現時点で Copilot のリージョン内推論に未対応。日本の Enterprise でも Copilot のデータはリージョン外で処理される。

★ どれを選ぶ? 📖 Docs

形態は Enterprise を作る前に 決めます。次の 3 つの質問で判断します。

flowchart LR
  Q1{"データの保存場所を<br/>指定する必要がある?"}
  Q2{"public repo、Gist、<br/>社外 OSS 協業が必要?"}
  Q3{"IdP をユーザー管理の<br/>正にできる?"}
  DR(["🌏 データレジデンシー<br/>GHE.com + EMU"])
  EMU(["🏢 EMU<br/>github.com"])
  PA(["👤 個人アカウント<br/>+ SAML SSO"])
  Q1 -->|"Yes"| DR
  Q1 -->|"No"| Q2
  Q2 -->|"Yes"| PA
  Q2 -->|"No"| Q3
  Q3 -->|"Yes"| EMU
  Q3 -->|"No"| PA

  classDef q fill:#0a0e27,stroke:#00f0ff,color:#00f0ff,stroke-width:2px
  classDef dr fill:#1a0a2e,stroke:#ff2e88,color:#ff2e88,stroke-width:2px
  classDef emu fill:#1a1500,stroke:#ffb000,color:#ffb000,stroke-width:2px
  classDef pa fill:#0a1a14,stroke:#9bbc0f,color:#9bbc0f,stroke-width:2px
  class Q1,Q2,Q3 q
  class DR dr
  class EMU emu
  class PA pa

⚠️ 作成後に形態は切り替えられない。既存の個人アカウント Enterprise から EMU や GHE.com へ移るには、新しい Enterprise を作って移行(GitHub Enterprise Importer など)する。

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