一言で
GitHub Advanced Security (GHAS) は GitHub のセキュリティ製品スイート。開発者がうっかり混入させてしまう 2 つのもの、クレデンシャル と 脆弱なコード をリポジトリからスキャンして検出する。
製品は Secret Protection と Code Security の 2 つで、それぞれ単体で購入できる。
なぜ今なのか
世界中のサイバーセキュリティ専門チームが集まる、国際的なネットワーク組織。
1990 年に設立。世界 110 カ国以上、850 を超える企業、政府機関、大学などのセキュリティチームが加盟している。
主な活動
- サイバー攻撃の情報共有:世界中で起きているサイバー攻撃やシステムの欠陥(脆弱性)の情報を共有し、被害の拡大を防ぐ。
- 世界共通の「危険度のモノサシ」を作る
2026 年 6 月の発表(超要約)
- AI のおかげでバグの発見数は過去最多ペース。ただし、実際に危険な攻撃が増えたわけではない。
- すべてのバグを片っ端から直すのではなく、EPSS などの指標を使って「本当に危険なバグ」から優先して直すことが大切。
一言で:世界中で協力して、インターネットを安全に使うための情報共有やルール作りをしている組織。
GHSA 前年比 +449%
GitHub はキュレーション体制を拡大し AI 支援も導入。無料公開の Advisory Database ↗ が Dependabot アラートの元になる(左)。
AI 対 AI のレース
AI による exploit 生成と、AI によるパッチ生成の競争。悪用までの時間はすでに 24 時間(右)。
Dependabot アラートが 4 倍超に
GitHub 全体の新規アラート数(四半期)。
2025 年の 7,000〜8,000 万から急増。CVE アラートも 2026 年 2 月以降、全体で 6 倍。
脆弱性から悪用までの時間
CVE 公開から初の実悪用までの平均日数。
悪用が確認された 3,500 件超の CVE に基づく(CISA KEV + VulnCheck KEV)· zerodayclock.com
FIRST の 4 つの提言 📖 Docs
従来のセキュリティが追いつかない。 AI が生成する新規コードの量は従来のレビュープロセスが検査できる範囲を超え、しかも一度に多数の新しい面から流れ込む。エージェントが変更を複数リポジトリへ波及させた後では、PR でのゲートはすでに手遅れ。
🔧 パッチ作業の倍増に備える
ソフトウェアを保守する側の作業は倍増する。一方、稼働中システムへのパッチ量は 2026 年末まで比較的安定。
💰 セキュリティに予算を割く
CVE の増加とソフトウェア資産の拡大を考えると、セキュリティ専用の予算確保は不可欠。
🎯 深刻度と悪用可能性で絞り込む
FIRST は CVSS ↗ を自社環境に合わせて調整し、深刻度を評価することも推奨。悪用可能性の指標も併用する。Dependabot アラートには EPSS スコア ↗(実際に悪用される可能性)が表示される。
🤖 防御側の AI を今すぐ使う
悪用はかつてなく速い。攻撃者も同じ最新モデルを使えて、コストは障害にならない。防御側がトリアージするより速くリスクを見つけて武器化し、サプライチェーン攻撃も人間のレビューサイクルより速く動く。
日本の情報漏えい事例(2026-10-22 時点) 📖 Docs
日付は企業の公表日(参照した続報や訂正を含む)。
日本企業で相次ぐデータ漏洩
2026年、サイバー脅威が急拡大。 警察庁の観測では、上半期の不審アクセスは前年同期比 51% 増。ランサムウェア被害報告は 123 件で半期最多(警察庁 ↗)。
公表日(続報や訂正を含む)の古い順。2026-10-22 時点。
GHAS はどう応えるか
スキャンツールは通常プラットフォームの外側にある。別のコンソール、別のバックログ、そしてコードを書いた数日後に届く検出結果。GHAS はこの 4 ステップすべてを、コードがすでに置かれている場所で実行する。
何が入っている? 📖 Docs
料金 📖 Docs
| 製品 | 価格 | 課金単位 |
|---|---|---|
| 🔑 GitHub Secret Protection | $19 / 月 | active committer |
| 🔍 GitHub Code Security | $30 / 月 | active committer |
| 📦 両方セット | $49 / 月 | active committer |
- 👥 active committer = 過去 90 日間に、機能が ON のリポジトリへ push した人。何リポジトリ・何 org でも 1 人分。GitHub App の bot は対象外
- 🏷️ GitHub Team と GitHub Enterprise で購入可能。Enterprise Server と GHE.com では全リポジトリにライセンスが必要
- 🌐 public repo は「ほとんど」無料だが「全部」ではない — custom patterns、delegated bypass、AI-detected secrets、campaigns、Security overview はライセンスが必要 (正確な線引き ↗)
購入前の棚卸し — Risk Assessments 📖 Docs
Org → Security → Assessments から実行できる無料の棚卸しが 2 つある。ライセンスもトライアルも不要で、購入を判断する前に実際の数字を見られる。
🔑 Secret Risk Assessment
組織のリポジトリに眠っている secret の種類と件数を、カテゴリ別に集計する。
🔍 Code Security Risk Assessment
CodeQL が検出したコードの脆弱性を、深刻度・言語・Copilot Autofix で修正可能な件数に分けて表示する。
- 🛂 実行できるのは Organization owner と security manager のみ
- 🏷️ GitHub Team と GitHub Enterprise Cloud (Server は 3.22 で対応予定)
- 🧪 結果画面からそのまま GHAS トライアル ↗ を開始できる。数字が出た後の次の一手はこれ
エンタープライズ全体へのロールアウト手順
Enterprise → Settings → Advanced Security → Code security で configuration を 1 つ作れば配下の全 org / repo に配れる。New configuration は最初から GitHub recommended。
Enterprise の security configuration を強制適用し、新規 / 既存リポジトリを問わず org / repo 管理者によるポリシーの上書きを防げるようになった。9 月 15 日の発表 ↗
カバレッジの可視化 📖 Docs
-
ENTERPRISE レベル
octodemo → Security overview ↗ を開き、検知 / 修復 / 予防のトレンドを見せる。続けて Coverage と Risk ビューに切り替える。
自分が owner / security manager の org だけが集計される。
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ORGANIZATION レベル
theomonfort-org → Security overview ↗ で同じダッシュボードを org 単位で見せる。
現場が日常的に見るのはこのビュー。
-
REPOSITORY レベル
ghas-test-1 → Security and quality ↗ で 1 リポジトリのアラートまで降りる。
Enterprise → Org → Repo と、同じアラートを段階的に絞り込む流れ。
配り終わったら次の関心事は「実際どこまで守れているか」。Security and quality タブが Enterprise / Organization の両レベルで答えてくれる。
| ビュー | わかること | レベル |
|---|---|---|
| 📊 Overview | 検知 / 修復 / 予防のトレンド推移 | Ent + Org |
| 📈 Coverage | どの repo でどの機能が有効か | Ent + Org |
| 🛡️ Risk | アラートが多いのはどの repo か | Ent + Org |
| 🌐 Public monitoring | メンバーが GitHub 上の public repo に漏らした secret | Ent のみ |
- 🏢 Org レベルの Coverage が現場の日常ビュー。enterprise 側は自分が owner / security manager になっている org しか集計されない
- 🌐 Public monitoring (public preview・Secret Protection 必須) は enterprise メンバーと verified domain で漏洩を紐付ける。Enterprise → Settings → Advanced Security → Code security で ON
- 📤 Export CSV は Overview / Coverage / Risk で使え、適用中のフィルタがそのまま反映される